[PR]

 タックスヘイブン(租税回避地)に設立された法人に関する電子ファイル「パナマ文書」について、非営利の報道機関「国際調査報道ジャーナリスト連合」(ICIJ、本部・米ワシントン)は10日未明(米国時間で9日午後)、21万4千の法人とその株主らの名前や住所をインターネット上で公開した。高い匿名性の壁に阻まれてきたタックスヘイブン法人の所有者が明らかにされた。

 公開されたデータベースには、パナマ文書に登場する株主らの住所として316の日本の地名が表示される。飲料大手の社長、大手警備会社の関連法人、大手商社などが載っているほか、暴力団の関係企業の役員と見られる人物も含まれている。ICIJの公開前の集計では、日本を住所地とする延べ439の個人や法人がタックスヘイブンと関係していた。

 パナマ文書に基づく報道は4月初旬に始まった。各国首脳とタックスヘイブンとの関わりが明らかとなり、アイスランドの首相が辞任に追い込まれるなど大きな影響を与えた。

 データ公表は政治家などの隠された資産運用の実態解明につながると期待されており、ICIJは「タックスヘイブンの会社とその背後にいる人たちに関する史上最大の情報公開だ」と説明している。

 ICIJは公益性などを考慮して名前や住所地など法人の基本情報に限定してデータを公開した。パスポートや契約書類など資料そのものは公開しない。

 ICIJは2013年6月に、租税回避地にある10万余の法人に関してパナマ文書とは別の電子ファイルをもとにネット上にデータベース(https://offshoreleaks.icij.org/別ウインドウで開きます)を公開している。パナマ文書の情報はこれに追加する形で公開された。(編集委員・奥山俊宏

    ◇

 〈パナマ文書〉 タックスヘイブン(租税回避地)での会社設立に携わる中米パナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」が作成した業務用のファイルで、顧客とのやりとりや登記関連の申請書類など1150万点の情報が含まれる。南ドイツ新聞が匿名の人物から入手し、ICIJを通じ朝日新聞など各国の報道機関が分析と取材を進めてきた。