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 作家の高橋源一郎さんが、憲法記念日に合わせて沖縄県を訪れました。米軍基地と向き合ってきた人々の歴史、日本国憲法の意味を問う市民の声。沖縄で憲法を考える旅から見えたものは……。寄稿をお届けします。

 天気予報ははずれて、抜けるような青空が広がっていた。

 憲法集会に出席した翌日、世界遺産にもなった、古琉球のグスク(城)の遺跡の一つ、勝連城跡に登った。13世紀前後に作られた城の壁は、優雅な曲面を描き、目にしみるほど赤い花に彩られたその姿は、どこか異国の建物を思わせて、息を呑(の)むほど美しかった。

 城の頂上に登ると、遙(はる)か遠くまで海が見えた。太古の時代、その海を通り「やまと」まで北上していった人たちがいたのだろうか。

 柳田国男は晩年、日本人の祖先は、遠い南方から、沖縄の島づたいにやって来たのではないかと書いた。その中で、島に残った人たちは、そこで生き、やがて日本本土とは異なる歴史と文化を持つ一つの王国を作り上げた……その仮説は、いまも不思議な魅力をたたえて存在している。

「9条掲げて独立を!」寸劇の叫び

 わたしが出席したのは、毎年、憲法記念日に開かれる大きな集会だった。その中で、一場の寸劇が演じられた。途中、役者たちは、日本国憲法について論じ合う。

 「『憲法第43条 両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する』。けれども、憲法制定を議論した国会に沖縄の代表はいなかった。米軍の統治下にあった沖縄は、議員を送ることができなかったからだ」

 あるいは、こういうことばも。

 「もし、日本が憲法9条を捨てるなら、沖縄はその9条を掲げて独立したほうがいい!」

 こんなセリフが役者の口から出…

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