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 提示すれば全国どこでも無料で診療を受けられる「被爆者健康手帳」と同様の手帳を福島県民にも発行するよう求める県民の要望について、政府は応じる意思のないことがわかった。9日、伊達市で開かれた飯舘村住民懇談会で内閣府の担当者が明らかにした。

 懇談会では、飯舘村前田行政区の長谷川健一区長が「帰村の不安を和らげるにはまず健康への不安を無くすことだ」と、避難指示解除にあたり、一生無料での医療提供を保障する手帳の交付を求めた。

 これに対し、内閣府原子力被災者生活支援チームの松井拓郎・支援調整官は、原発事故の被曝(ひばく)による健康影響は想定しておらず「福島を広島や長崎と同列に考えるわけにはいかない」と手帳交付を否定した。

 ただし、低線量被曝の健康影響は解明されていない点もあり、「リスクがゼロとは断言できない」とした。松井氏は懇談会後の取材に「県が国費などで実施している甲状腺検査や健康診断などを長期にわたり継続し、影響の有無を調査していく」と説明した。

 医療保障を伴う手帳の交付を求める声は飯舘村民以外からも出ており、4月16日には約120人が参加する「福島に被ばく者手帳を作る会」が発足した。

<アピタル:ニュース・フォーカス・その他>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(大岩ゆり)