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 ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市)を運営するユー・エス・ジェイは11日、沖縄県に新しいテーマパークを造る計画について、撤回を決めた。ジャン・ルイ・ボニエ社長が同日、首相官邸を訪れて和泉洋人首相補佐官に伝えた。政府は沖縄振興策として後押ししてきたが、実現できなくなった。

 ユー・エス・ジェイは昨年3月、沖縄に国内2カ所目のテーマパークを造ることを表明した。沖縄美(ちゅ)ら海(うみ)水族館がある国営海洋博公園(沖縄県本部〈もとぶ〉町)を有力候補に、2020年ごろの開業を目指していた。大阪市のUSJは好調だが、拡張は難しいため、沖縄進出で成長する戦略だった。

 しかし、昨年11月に同社を買収した米メディア大手コムキャストは、計画に難色を示していたとみられる。最終的に、大阪に投資を集中させる方が有利と判断し、取りやめることにした。沖縄進出を再び検討することは、現時点ではないという。

 計画には政府も力を入れていた。米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の県内移設が問われた14年の県知事選では、菅義偉官房長官が移設容認の現職の応援演説で「政府としても沖縄振興策の要として県の誘致活動を応援したい」と発言。昨年8月には菅氏らが候補地を視察し、必要な規制緩和も検討していた。今年度の沖縄振興予算にも、県北部地域の大型観光拠点推進調査費として1億2千万円を計上していた。

 菅氏は11日の記者会見で「民間企業の経営判断だが、沖縄進出の見送りはきわめて残念」と話した。

 ボニエ社長は同日、沖縄県を訪れて撤回を伝えた。安慶田(あげだ)光男副知事は「非常に残念」と話した。(田幸香純、山下龍一)