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 原爆詩の朗読を始めて30年になる俳優の吉永小百合さんと音楽家の坂本龍一さんへのカナダ・バンクーバーでのインタビュー。ブリティッシュコロンビア大学(UBC)の学生とのやり取りを含めた後編をお届けします。

吉永さん「詩の持つ力にひかれた」

 ――被爆者の方が亡くなっていく中、原爆詩の朗読を30年続けていく難しさもあると思います。吉永さんは何に突き動かされて原爆詩を読んでいるのですか。

 吉永 被爆者の団体の方から、1986年に「こういう詩があるんですけど、読めるものを読んでください」と言われました。東京の渋谷の山手教会での平和を願う集会でした。峠三吉の詩は知っていましたが、ほかの詩はほとんど知らなくって。「こんなにいろんな形で文学として残されているのか」ということを初めて知ったんです。会場で読んで私自身がとても感動して、「これはやっぱりなんかの形で読み続けていかなきゃいけない」と思いました。広島の高校とか、東京のYMCAの集会……。そういう小さいところで少しずつやって。「詩の持つ力」にすごくひかれました。実際に被爆を体験した方と、そうじゃなくて栗原貞子さんのように見ていて、作品としてつくられた方と両方いらっしゃいますが、どちらもすごい力があると思います。

 ――寄り添い続けるというか、同じ歩みで生きていくというか、離れずについていくお気持ちはどこからくるのですか。

 吉永 そんな大それた思いはありません。表現者として、普通の社会人の一人としても、できることをやっていきたい。それには、こういう詩を読むってことは、私自身にとってすごく大切なことだと思う。こういう詩を読むということは普通の詩を読むよりつらいし、身を削られるように感じることもあります。だけど、自分のためにやってるんだとも思うし、自分に返ってくることだと思うのです。

 ――30年を振り返ると、選ぶ詩もいろんな変遷があるのですか。

 吉永 あります。最初はあまり…

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