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 同性のカップルらに結婚に準じた法的な権利を与えるシビル・ユニオン(共同生活者)法が11日、イタリア下院(定数630)で賛成多数で可決され、成立した。同性カップルの法的権利が認められていなかった同国が、保守派の反対を押し切り、一歩を踏み出した。

 同性愛をタブー視するローマ・カトリック教会の総本山バチカンのおひざ元のイタリアでは、西欧主要国の中で唯一、同性婚は不可で、同性カップルを公的に認める法律もなかった。同法の成立により、社会保障、相続などの面で、結婚に準じた権利が認められた。

 イタリアは昨年7月、欧州人権裁判所から法整備を勧告され、国内の人権団体などが権利獲得に向けた運動を強めていた。一方、男女間の結婚を家族の基盤とする教会側はカトリック信者の政治家に呼びかけるなどして、反対の立場を示していた。レンツィ首相はフェイスブックに「今日は多くの人にとってお祝いの日だ」と書き込んだ。

 法案は2月に上院を通過したが、法案通過を確実にするため、同性婚を認めることになるとして教会や保守派が最も懸念を示していた同性カップルの養子縁組に関する規定は削除された。同性のパートナーとともに2人の子どもを育てるデルフィナ・アロンジさん(38)は「新法は遅すぎた。子どもの権利が守られず、満足していない。今後も闘い続けなければならない」と語った。(ローマ=山尾有紀恵)