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第7章:3

 「公平な判断ができますか」

 2011年6月1日。裁判員候補として横浜地裁に呼び出された米澤敏靖さん(27)は、裁判官に質問され、「はい」と答えた。

 この日は呼び出しのあった68人のうち、57人が地裁に来た。午前10時に集合、事件の概要が説明された後、5人ぐらいずつ別室に呼ばれた。そこで冒頭の質問を受けた。5分ほどでやりとりは終わり、再び控室へ。入れ代わり立ち代わり、別室に候補者が入った。

 その間はやることがなかった。暇だった。希望者には法廷見学を実施すると言われたが、手を挙げなかった。興味がなかったからだ。

 「早く終わらないかな」

 そう思いながら、居眠りをしていた。全員が終わるまで、かなりの時間がかかった。

 やっと裁判員の選任作業に入った。職員がパソコンを持ち込み、会場に置かれていたテレビ画面に接続させた。画面に映し出された番号の人が、裁判員になるという。

 「早く帰りたい」。終わったら大学に行こうと思っていた。一応、視線はテレビ画面に向けていた。

 抽選作業が始まった。パソコンの画面に映し出された番号を見て、あぜんとした。

 「まさか!」

 自分の受付番号だった。

 「当たっちゃったよお~」。ただただ驚くばかりだった。

 次に押し寄せてきた感情は、焦りだった。

 「どうしよう、どうしよう」

 次々に番号が画面に映し出されていったと思うが、全く覚えていない。とにかく、ひとりで焦っていた。

 女性1人、男性5人の裁判員と…

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