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車いすテニス

 両手の握力がない。だから、ラケットを持つ右手には、上からテープを幾重にも巻き付ける。その長さは9・15メートルに及ぶ。パラリンピック金メダリストの国枝慎吾選手(32)よりも障害の重いクラス「クアード」に出場する川野将太選手(30)だ。

 交通事故で頸椎(けいつい)を損傷し、胸から下と手にまひがある。固定したラケットでは打てる角度や範囲が限られるため、ボールの軌道を先読みして素早く車いすを操作し、スイングスピードが最速になる瞬間にボールを常に同じ位置で捉えられるかが勝負の鍵だ。

 初出場のロンドン大会はダブルスで4位。悔しさが募った。「今は仲間に支えられ、心強さがある。後悔はしたくない」と言う。(斉藤寛子)