[PR]

 「化粧が変だと怒られた」「お吸い物のふたが開かない」「医者にかかりたいけど」……。児童養護施設から社会へ巣立つ若者は、大小さまざまな不安にぶち当たる。その解消に役立つ大阪の講習が人気だ。ある女性が15年前に始め、その道の「プロ」が指南。全国から視察が相次ぐ。

ネクタイ結び実践

 「ある朝、ネクタイが結べなくて会社に遅刻。上司に信じてもらえず、傷ついて会社を辞めてしまいました」。昨年11月、大阪市内での講習で、藤川澄代(すみよ)さん(61)が語り始めた。大阪児童福祉事業協会(同市天王寺区)のアフターケア事業部長。児童養護施設を出た子から聞いた、苦い体験談だった。近畿の施設などで暮らす中学生と高校生が耳を傾けている。

 講習は実践的だ。男子がぎこちない手つきでネクタイを結び始めると「そこで下から入れて。ちょっと長いかな」。スーツ大手「AOKI」の社員が助ける。

 「その化粧、どうにかならんか」。藤川さんによると、施設を出たある女子は就職後すぐ、マスカラやアイラインを濃く塗りすぎて目のまわりがパンダのようになり、上司に叱られた。「資生堂」社員による化粧の講義では、女子たちが手鏡をのぞきながら、おそるおそるファンデーションをほおにのばした。高3の女子生徒は「ちゃんとしたまゆげの描き方がわかりました」と目を輝かせた。

 昨年度は、夏から卒業シーズンの2月まで全13回の講習会があり、44施設の136人が「ハンコの使い方」「ビジネスマナー」「正しい薬の飲み方」などを学んだ。春から飲食店で働く高3の男子は、最終回で先輩の話を聞いた。「重要だと思ったのは素直になること。困ったら、まわりの大人を頼っていきたい」

 藤川さんは「ここで全て覚えら…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

【5/11まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら