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 このところ団地を舞台にした映画や小説が目立つ。かつては無機質な冷たいイメージで語られることも多かった団地。だがこれらの作品は、喜怒哀楽のある血の通った場所として描く。団地を子供時代の原風景として育った50代の作者たちの思いが込められている。

 深い緑に囲まれ、お年寄りが集まる温かい場所――。是枝裕和監督(53)は「海よりもまだ深く」(公開中)でこんな団地の姿を描く。ロケ地は、実際に是枝監督が多感な青少年期を過ごした東京都清瀬市の団地だ。

 主人公は団地で育った、売れない小説家(阿部寛)。探偵稼業で糊口をしのいでいる。彼の母親(樹木希林)は分譲に住み替える望みかなわず、今も狭い賃貸に住む。2人の子供は独立し、夫を亡くして独り暮らしだ。

 是枝監督は「夢見た未来にたどり着いていない人々の物語です。そして劇中のセリフ『こんなはずじゃなかった』というのは、団地自体がいま経験していることでもある」と話す。

 これらの団地が造られた1960~70年代は、若い核家族の夫婦が入居。やがて戸建てや分譲マンションに引っ越し、その後に次世代の夫婦が入るサイクルが想定されていた。ところが世代交代は起きず、今は主にお年寄りが住む街になっている。

 一方、阪本順治監督(57)の「団地」(4日公開)の舞台は大阪近郊の団地だ。子供を亡くした熟年夫婦(藤山直美、岸部一徳)ら団地の人間模様を面白おかしく描きながら、最後に途方もない“事件”が起きる。

 団地育ちの是枝監督が団地に温…

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