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 神戸市須磨区で起きた連続児童殺傷事件で、小学6年生だった土師(はせ)淳君(当時11)が殺害されてから24日で19年になる。父親の守さん(60)は報道各社に談話を寄せ、当時14歳だった加害男性(33)が昨年6月に手記「絶歌」を出版したことについて、「被害者の精神へのさらなる加害行為。『表現の自由』とは別次元の話で、何らかの規制は必要と考える」と訴えた。

 守さんはこれまで毎年、弁護士を通じて加害男性から手紙を受け取ってきた。しかし、弁護士によると、手記の出版を受け、加害男性の両親の代理人に受け取らない意思を伝えたという。守さんは「彼とはもう関わり合いたくないという思いです」と心境をつづった。

 談話の全文は次の通り。

     ◇

 この5月24日で、淳が亡くなってから19回目の命日がやってきます。私たち遺族は、19年前のあの日起きたことを昨日のことのように鮮明に覚えています。何年経とうとも、親の子供への想(おも)いは変わることはありません。

 今年は、加害男性から手紙は受け取っていません。私たちといたしましては、彼とはもう関わり合いたくないという思いです。

 昨年6月に、加害男性は被害者や遺族に何の断りも無く、被害者をさらに傷つけるような手記を出版しました。殺人等の重大事件の加害者が、自分が犯した犯罪に関する書籍を出版することは、被害者の精神へのさらなる加害行為と言えます。「表現の自由」とは別次元の話だと思います。本来でしたら、出版そのものが禁止されるべきであると思いますが、最低でも何らかの規制は必要であると考えています。

 近年、犯罪被害者支援条例が多くの自治体で制定されています。兵庫県内でも多くの自治体で制定され、さらに制定に向けて動いている自治体も見られます。被害者支援条例の制定により、地方自治体の犯罪被害者に対する対応が大きく改善されるであろうことは、非常に重要なことであると思いますが、この条例の制定において最も重要なことは、犯罪被害者にとっての拠(よ)り所(どころ)ができるということだと思います。

 今後も、自治体の犯罪被害者支援条例の制定の流れが進むことを期待するとともに、犯罪被害者に対するさらなる支援体制の強化を願っています。