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 フランスで開催中の第69回カンヌ国際映画祭で21日夜(日本時間22日未明)、革新的な作品を集めた「ある視点」部門の授賞式が開かれ、日本の深田晃司監督(36)の「淵に立つ」が第2席に当たる審査員賞を、スタジオジブリなどが製作したマイケル・デュドク・ドゥビット監督(62)のアニメ「レッドタートル ある島の物語」が特別賞を獲得した。

 同部門では昨年も黒沢清さんが「岸辺の旅」で監督賞を受けている。なお、最高賞の「ある視点」賞にはフィンランドのユホ・クオスマネン監督の「オリ・マキの人生で最も幸せな日」が選ばれた。

 深田監督は主演の筒井真理子さんや古舘寛治さんら出演者やスタッフに祝福されつつ登壇し、いくぶん緊張気味に「(日本とフランス)二つの国の結びつきがより強くなることを期待しています」とあいさつ。満場の温かい拍手を浴びた。

 深田監督は80年、東京都生まれ。「歓待」(10年)が東京国際映画祭「ある視点」部門作品賞、「ほとりの朔子」(13年)が仏ナント三大陸映画祭でグランプリを得ている。長編第5作となる受賞作は、町工場を営む平凡な家庭に一人の男が入り込むことで、家族の形が大きく変容していくさまを描いている。日本公開は今秋を予定している。

 一方、デュドク・ドゥビット監督は「スタッフと私の努力の結晶です」などと語り、壇上で日本のメディアに「高畑さん、ありがとう」と声をかけた。この作品は高畑勲監督がアーティスティック・プロデューサーを務めている。ジブリの鈴木敏夫プロデューサーは「完成までの10年間は長かったけれど、特別賞に選ばれて僕も本当にうれしいです」などとコメントした。

 デュドク・ドゥビット監督はオランダ生まれ。「岸辺のふたり」(00年)で米アカデミー賞短編アニメ賞を受けている。受賞作は無人島に流れ着いた男の人生をセリフなしで叙情豊かに描く。日本では9月の公開を予定している。(カンヌ=編集委員・石飛徳樹)