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 仙台市が、青葉区の広瀬通にあるイチョウ並木の一部を伐採する計画を立てている。JR仙台駅周辺の渋滞緩和が目的だが、市民から反対の声があがる事態に。市は説明に追われ、当初は3月に予定していた伐採時期も夏以降に先延ばしとなっている。

 伐採するのは、駅前通と愛宕上杉通に挟まれた約160メートルの区間の中央分離帯に植えられた計12本。片側3車線のこの区間は、右折レーンが長いことやバス乗り場があることなどから、特に真ん中の直進車線の渋滞が激しい。

 来年3月には、JRをまたいで駅の東西をつなぐ宮城野橋が片側1車線から3車線になる。榴岡公園(宮城野区)の北側を通る道路の延長工事も終わり、交通量は調査した2013年の2倍ほどになることが予想される。そのため、中央分離帯を撤去して新たに右折レーンを造り、直進車線を片側1車線ずつ増やす計画だ。

 広瀬通には136本のイチョウが並ぶ。60年ほど前に植えられたとされ、市を代表する景観の一つになっている。市は移植も考えたが、木が古く、新たな場所で根付くか分からないことや、作業期間は道路の一部が使えなくなることから断念した。歩道側のイチョウは残す。

 当初は3月に伐採を始める予定だったが、市民や市議会から「説明が足りない」「杜の都を唱えながら、方針がちぐはぐではないか」などの声があがり、延期された。さらに、今夏に「杜の都の環境をつくる審議会」を開いて報告することにしたため、伐採はそれ以降になるという。

 青葉区道路課の担当者は「『杜の都』と渋滞緩和をどう考えるかは悩ましいが、駅周辺のまちづくりや、市の東西をつなぐ道路の重要性からみて、やむを得ない工事」と話す。

 イチョウが並ぶ歩道を歩いていた太白区の30代の女性は「杜の都といっているのに緑を減らすのは反対。せめて切った後の木を遊具やベンチとして使えないか」。一方、泉区の50代の男性は「(反対する)気持ちはわかるが、人がこれだけ増えているので仕方がないのではないか」と理解を示した。(中林加南子、木村聡史、若井琢水)