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 ピラミッドのように石を階段状に積み上げた、類例のない大型方墳とわかった奈良県明日香村の都塚(みやこづか)古墳(6世紀後半~7世紀初め)について、村教委と関西大は26日、発掘調査報告書を発行したと発表した。墳丘に12万9千個の石が使われ、築造に延べ3万人が関わったと推定。専門家は「蘇我一族の墓の可能性が高まった」と指摘する。

 報告書によると、東西約41メートル、南北約42メートル。横穴式石室を備え、ふたが屋根形の家形(いえがた)石棺(せっかん)が納められている。墳丘は川原石を階段状に少なくとも5段以上積み上げ、階段の壁面部と平坦(へいたん)部の内部などに拳大から人頭大の石が使われていた。石の総数12万9千個は1平方メートルあたりの数から推計した。石室を含めた推定総重量は485トンにのぼる。

 採石地とされる二上山(大阪と奈良の府県境)や付近の川辺などからの運搬と築造に関わった労働者数を古代から近代までの文献をもとに試算。延べ3万人になることが分かった。

 都塚古墳の近くには飛鳥時代の豪族、蘇我馬子の墓との説がある石舞台(いしぶたい)古墳(特別史跡、7世紀前半)があり、一帯は蘇我氏の本拠地の一つとされる。猪熊兼勝・京都橘大名誉教授(考古学)は「当時の飛鳥で、これだけの労力をかけられるのは蘇我氏しかいないのでは」と話す。

 報告書はA4判、本文206ページ、図版47ページ。5500円で販売する。問い合わせは村地域振興公社(0744・54・4577)。(田中祐也