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 2014年の衆院選で、供託金300万円を払えなかったために立候補できなかったのは、「立候補の自由を侵害し、憲法に違反する」として、さいたま市桜区の自営業、近藤直樹さん(56)が27日、国に300万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。

 訴状で近藤さんは、供託金制度は、「立候補の資格を財産や収入などで差別してはならない」と定めた憲法44条に違反する、と主張。仮に制度自体は合憲だとしても、衆院選小選挙区で300万円という現在の金額は、格差の広がる社会状況や諸外国の制度に照らして、「明らかに高額すぎ、多数の国民の立候補の自由を奪っている」と訴えている。

 弁護団によると、米、独、仏などでは供託金制度自体がなく、制度がある国でも数万~数十万円の国が多いという。弁護団長の宇都宮健児弁護士は、「日本は突出して高額で、既存政党や資産家に有利な制度になっている」と話す。

 供託金をめぐっては、13年の参院選時の訴訟で東京地裁が同年11月、「制度は候補者の乱立を防ぐために合理的。金額も低額ではないが国会の裁量の範囲内だ」と判断。原告が控訴せず確定した。