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 主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)は27日、世界経済を支える金融、財政政策と構造改革の重要性をうたう首脳宣言を採択し、閉幕した。議長を務めた安倍晋三首相は記者会見を開き、「消費税率引き上げの是非も含めて検討し、夏の参議院選挙の前に明らかにしたい」と表明。来年4月に予定する消費税率10%への引き上げを延期する考えを示唆した。

 首相は会見で、複数の経済指標について「リーマン・ショック時の下落幅に匹敵する」などとして、現状が2008年のリーマン前と似ているとの認識を示し、「世界経済が危機に陥る大きなリスクに直面している。G7はその認識を共有し、強い危機感を共有した」と強調した。そのうえで、「財政面での対応も含め、あらゆる政策を総動員する」とし、追加の経済対策にも含みをもたせた。

 首相はすでに、消費増税を延期する意向を固めている。しかし、これまで首相は「リーマン・ショックや大震災のような重大な出来事がない限り、予定通り実施する」と説明してきたため、G7の場で「リーマン前に似た状況」を強調することで、延期を正当化する狙いがあるとみられる。

 ただ、世界経済の先行きに関する認識には、首脳間で違いが大きく、首脳宣言では「回復は続いているが、成長は緩やかでばらつきがあり、下方リスクが高まってきている」と記しただけで、リーマン・ショックには触れなかった。また、安倍首相は、政府が公共事業などにお金を使う財政出動にG7が一致して取り組むことをめざしたが、合意できたのは「財政戦略を機動的に実施し、構造政策を果断に進めることに協力し、取り組みを強化することの重要性」だけで、実施するかどうかは各国の判断に委ねるという内容にとどまった。(山岸一生)

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