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 昨年6月に内戦下のシリアに入国した後、行方が分からなくなっているフリージャーナリストの安田純平さん(42)とみられる男性の写真が、日本時間の30日未明、インターネット上に投稿された。男性は「助けてください これが最後のチャンスです 安田純平」と手書きの日本語で書かれた紙を持っている。安田さんを拘束している組織が、日本政府との交渉を進めるために揺さぶりをかける狙いがあるとみられる。

 写真の男性は長髪でひげを伸ばし、オレンジ色の丸首シャツを着用。安田さんはシリアで国際テロ組織アルカイダ系の武装組織「ヌスラ戦線」に拘束されているとの情報があり、日本政府が確認を急いでいる。

 写真の投稿者は30日、朝日新聞の取材に応じた。3月に安田さんとみられる男性の動画を公開したのと同一のシリア人で、現在トルコにいるという。

 投稿者によると、写真の公表は交渉仲介者から依頼された。その際、仲介者は「6月28日でヌスラ戦線が安田さんの身柄を拘束して半年になる。身代金1千万ドル(約11億円)を要求したが、日本政府や関係者が交渉に動かないので、期限を切ることにした。身代金支払いに1カ月の猶予を与える」と話したという。

 さらに、日本側が応じなければ、過激派組織「イスラム国」(IS)と人質を交換するため安田さんを引き渡すだろう、とも述べたという。実際にヌスラ戦線が安田さんを拘束しているのかどうかは不明で、別の組織が名前を利用している可能性もある。

 ヌスラ戦線は外国人ジャーナリストや人道援助関係者らの誘拐を繰り返しているが、身代金を得られれば解放するケースが多い。5月上旬には、昨年7月にシリア北部で拘束し、人質にしたスペイン人ジャーナリスト3人を解放した。

 トルコ紙イェニ・シャファクなどによると、スペイン政府はトルコ、カタール両政府に協力を要請。ヌスラ側は当初、身代金として計2500万ドルを要求したが、トルコ、カタール両政府が仲介者を通じてヌスラ側と交渉を重ね、人質1人につき370万ドルをスペイン政府が払うことで決着させたという。

 スペインメディアによると3人は一時期、安田さんとともに拘束されていたという。ただ、いつ、どこで一緒だったかなどの詳細は明らかになっていない。(イスタンブール=春日芳晃、カイロ=翁長忠雄)

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 〈ヌスラ戦線〉 国際テロ組織「アルカイダ」に忠誠を誓うイスラム教スンニ派の過激派組織。内戦下のシリアで2012年1月ごろ結成された。支配地域はシリア北西部や北部に点在。実戦経験を積んだ戦闘員が多く、ゲリラ戦に強いとされる。シリアのアサド政権や過激派組織「イスラム国」(IS)と敵対関係にあるが、反体制派の一部とは協力関係にある。米国や国連からテロ組織に指定されており、米ロが2月に呼びかけた停戦ではISと共に対象外になっている。