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 ヘイトスピーチを繰り返す団体の主催者に対し、横浜地裁川崎支部が2日に出した仮処分の要旨は次の通り。

 【認定事実】

 債権者(申し立てた側)は、1973年に社会福祉法人の認可を受けた。その目的として、人種・国籍・宗教のいかんを問わず、福祉サービスを必要とする者が心身ともに健やかに育成され、社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会を与えられることを目指し、個人の尊厳を保持しつつ、自立した生活を地域社会で営むことができるよう支援し、共生社会を実現することを掲げている。

 川崎市臨海部は、在日コリアンと呼ばれる在日韓国・朝鮮人が多数居住する地域で、特に債権者の事務所がある桜本地区はその集住地域として知られている。債権者は民族を理由に入園を断られた子どもを受け入れる保育園を設立するなど、民族差別解消・撤廃に向けて取り組み、社会福祉事業を行ってきた。債権者の理事長は韓国籍で、施設利用者のうち在日韓国・朝鮮人の占める割合は、ほかの同市の地域に比較して多い。

 債務者(申し立てられた側)は「行動する保守運動」と称する団体に参画する活動家で、2013年5月12日から16年1月31日にかけて12回にわたり、JR川崎駅前の繁華街を中心に、市内で在日韓国・朝鮮人の排斥を訴える内容のデモを主催し、または中心メンバーとして参加した。

 中でも15年11月8日と16年1月31日に行われたデモで、債務者や参加者は、「在日は大うそつき」などと記載したプラカードを掲げ、「朝鮮人をたたき出せ」などの文言を発した。デモは拡声機を用いるなどして、騒々しくされた。

 債務者は運動体のホームページで、6月5日に実施予定のデモへの参加を呼びかけている。

 【差別的な言動の差し止めを求める権利があるか】

 国外の国や地域の出身者で適法に居住する人が、国外の出身であることを理由に差別されたり、地域社会から排除されたりすることのない権利は、憲法13条に由来する人格権を持つ前提になるものとして、強く保護されるべきだ。人種差別撤廃条約の規定や、憲法14条が人種差別を禁止していること、さらに近年の社会情勢の必要に応じて差別的言動解消法(ヘイトスピーチ対策法)が制定され、施行を迎えることに鑑みると、その保護はきわめて重要だ。

 国外出身者が抱く民族や出身国に対する感情や信念は、個人の尊厳の最も根源的なもので、ほかの者もこれを違法に侵害してはならず、相互に尊重すべきだ。

 差別的言動解消法2条に当たる…

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