千葉県館山市伊戸沖の海中に潜ると、サメやエイの群れが乱舞し、水族館の大水槽でも見られないような光景が広がっていた。
ここでは、昔からサメやエイが多く、定置網に入り込んで魚を食べてしまうなどの被害が出ていた。
2009年の秋ごろ、地元にダイビングショップを開こうとしていた塩田寛さん(52)と漁師らが話し合い、200メートルほど離れた海中にエサをまく対策を考えた。数年かけてサメやエイを網から引き離すことに成功。同時に群がる魚を間近で見られるダイビングスポットとしても注目されるようになった。
塩田さんによると、集まっているのは主に小型でおとなしいドチザメやアカエイで、ダイバーにも慣れているという。最近では、海外から訪れる人もいる。
定置網漁を守る本来の目的でも順調に成果があがっているという。定置網漁の船頭をしている吉田忍さん(57)は、「エサをやるようになってから、網の中に入るサメが20分の1くらいになった。以前は外に追い出すのに手間がかかっていたので助かっています」と話している。(諫山卓弥)
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