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 安倍晋三首相は3日、東京電力福島第一原発事故で被災した福島県葛尾村などを視察した。視察後、記者団に「帰還困難区域でないにもかかわらず、いまだ避難指示が続いている区域は来年3月には解除し、早期に帰還できるように取り組むことを指示した」と改めて強調。帰還困難区域の復興についても、「この夏までに国の考えを示したい」と語った。

 解除の対象は比較的線量が高い「居住制限区域」と、比較的線量が低い「避難指示解除準備区域」で、政府の原子力災害対策本部が昨年6月、遅くとも17年3月までに避難指示を解除する方針を決めている。

 ただ、避難指示が出た福島県の11市町村のうち、すでに解除されたり、具体的に解除の日程が決まったりした自治体は5市町村(対象住民約2万1千人)にとどまる。残りの6町村(同約3万3千人)では除染の遅れなどで、目標通りに解除できるか不透明だ。

 避難指示の解除には線量の低下に加え、電気や水道、通信、医療・介護体制などの復旧が条件となる。国と住民との「十分な協議」も必要で、国が解除のスケジュールを提案しても、「線量がまだ高い」などと解除が延期される例も多い。