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 埼玉県熊谷市で2011年、同居の両親を殺害し自宅に放火したとして、殺人と非現住建造物等放火の罪に問われた長男(44)の控訴審判決が7日、東京高裁であった。朝山芳史裁判長は、一審さいたま地裁の裁判員裁判の判決に一部事実誤認があったとしつつ、無罪の結論は維持し、検察側の控訴を棄却した。

 長男の起訴内容は、11年3月10日、自宅で父(当時68)と母(同69)の首を絞めるなどして殺害、翌日自宅に放火したというもの。一審は父が母を殺害して自殺し、第三者が放火するなどした可能性を否定できないと判断していた。

 高裁判決は、父の遺体の状況から「自殺は考えられない」とし、両親とも他殺と認定。一審で「父が自殺を図ったのを見た」とした長男の供述の信用性も否定した。しかし長男が自宅にいたと断定できないことなどから「長男の犯行と認めるには合理的な疑いが残る」として無罪を維持した。検察側は一審に続き無期懲役を求刑していた。(金子智彦)