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 自民、公明両党で改選議席の過半数獲得を掲げる安倍晋三首相。対する民進、共産、社民、生活の党と山本太郎となかまたちの野党4党は32の全1人区で候補者を一本化し、共闘態勢を整えた。一方、改選数2以上の複数区では与野党候補が並び立ち、混戦模様を呈している。

1人区

 1人区は前回から一つ増えて過去最多の32となった。鳥取と島根、徳島と高知を一つの選挙区(改選数1)として統合する「合区」が初めて導入され、宮城、新潟、長野の各選挙区は定数削減により新たに1人区となった。

 与党側は、自民が1人区の全選挙区で公認候補を立て、公明が支援する。一方の野党側は、共産が29選挙区、民進が香川選挙区で候補者を取り下げるなど調整を進め、候補を一本化。民進公認15人、共産公認1人、無所属16人が、自民候補と激突する。

 自民が1人区で29勝2敗と大勝した2013年参院選では、野党4党の共闘は進まず、共産は沖縄以外の30の1人区で公認候補を擁立。19選挙区で民主の公認候補と競合した結果、両党とも1人区では議席を獲得できず、共倒れした。

 参院選では、1人区の勝敗が選挙全体の勝敗を大きく左右する。自民は07年、1人区で6勝23敗、改選64議席を37に減らし惨敗した。一方、1人区で大勝した13年は、改選34議席を65と大幅に増やした。

 今回、1人区での野党共闘が選挙結果にどう影響するか注目される。13年参院選の各党の選挙区獲得票をもとに、今回共闘する4党と、日本維新の会、みんなの党、みどりの風(いずれも当時)の計7党の票を合算した朝日新聞の試算では、自民候補に敗れた山形や三重など七つの1人区で勝敗が逆転。4党のみ(推薦を含む)合算した場合でも、4選挙区で逆転する計算となる。

 ただ、民進党内や支援する労働組合の一部には共産への拒否感もあり、民進公認候補への共産の推薦を福島などでは受けず、宮城などでは受けるといった濃淡も出ている。

複数区

 近年、与野党が1議席ずつを分け合うことが多かった2人区は、「一票の格差」是正で、13年の10から4選挙区に減少した。一方、北海道、兵庫、福岡は改選数が2から3、愛知は3から4、東京は5から6に増えた。これらの選挙区には、与野党双方が積極的に候補を立て、攻防が激化している。

 自民は北海道と千葉、東京で、現職と新顔を擁立。4人区の神奈川では現職公認に加えて無所属候補を推薦する。公明も愛知、兵庫、福岡で公認候補を立てたため、自公が競合する選挙区は前回の4から7に増えた。

 野党4党は、比例票を掘り起こす狙いもあり、全13の複数区で共闘しない。

 民進は北海道と千葉、神奈川と愛知、東京で2人を立てた。共産も全13選挙区で候補を立てて民進と競合、東京、神奈川、愛知、福岡では民進、共産、社民の野党各党が並び立つ。大阪では自民、公明、民進、共産、日本のこころを大切にする党に、おおさか維新2人も加わり、激戦が予想される。(竹山栄太郎)

比例区

 比例区は48議席を争う。

 自民は25人を公認した。医師会や建設業などの支持母体を持つ候補がズラリと並ぶが、組織力は先細り傾向にある。芸能人や元プロ野球選手といった有名人のほか、公募候補も1人擁立した。

 22人を立てた民進は、うち12人が連合の組織内候補で、現行選挙制度になってから最多。従来は組織内候補のほとんどが当選してきたが、13年は現職2人が落選、旧民主結党以来最低の比例区7議席に終わった雪辱を期す。

 公明は6人を重点候補とする。共産は選挙区で候補取り下げを進めるかわりに比例区での擁立を増やし、議席増を狙う。社民、生活、新党改革は議席維持を懸けた戦いで、こころは議席獲得を目指す。

 13年に6議席を得た日本維新の会と、4議席を獲得したみんなの党がいずれも解党したため、両党が得た計約1100万票の行方が今回、カギを握りそうだ。

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