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 選挙権年齢をこれまでの「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げる改正公職選挙法が19日施行された。7月10日投開票の参院選が22日に公示されて以降、新たに約240万人の18、19歳の有権者が投票できるようになる。各党は若者を意識した政策をアピールしている。

 選挙権年齢の変更は、「25歳以上」から「20歳以上」に引き下げられた1945年以降で初めて。

 18歳以上が対象となるのは、衆院選と参院選、地方自治体の首長と議会の選挙など。最高裁判所裁判官の国民審査や、地方自治体の首長解職や議会解散の請求(リコール)などを受けて行われる住民投票の投票資格も18歳以上になった。

 参院選では22日の公示以降、期日前投票ができる。28日告示の滋賀県日野町長選や、7月14日告示の東京都知事選の選挙権も18歳以上となる。

 18、19歳は選挙運動もできる。20歳未満でも買収など連座制の対象となる重大な選挙違反をした場合は、原則として成人と同様に刑事訴追の対象となる。

 選挙権年齢を「18歳以上」としているのは、世界の約190カ国・地域のうち約9割。日本では、2014年6月に国民投票法が改正され、憲法改正を問う国民投票の投票権年齢が18歳以上に引き下げられた。これに合わせ、選挙権年齢も18歳以上に引き下げる改正公職選挙法が昨年6月に成立した。

「若者向け公約守って」 与野党幹部に質問

 18日に大阪市で開かれた関西プレスクラブ主催の与野党9党による討論会では、制服姿の高校生らが各党幹部の言葉に耳を傾けた。若者たちが質問する時間も設けられたが、政党幹部の答えとかみ合わない場面も目立った。

 神戸大1年の杉村昂紀(こうき)さん(18)は「高齢者の方が票につながるという考えもあるが、若者向けの公約はほごにされないのか」と質問した。公明党の佐藤茂樹政調会長代理は党の政策を列挙して「政治は若いみなさんに予算配分を重点的に進めないといけない」。新党改革の荒井広幸代表は「ほごにしないように努力するが、(みなさんも)別の世代のことを考えて」と答えた。杉村さんは討論会後、「決意は感じなかった。質問したのに逆に諭され、不誠実な感じもした」と話した。

 京都市立堀川高3年の松井春樹さん(18)は「国会議員の年収は何円が妥当か」と聞いた。民進党の山尾志桜里政調会長は「歳費は一般の人と同じぐらいでいいのでは」と答えたが、松井さんは「具体性を欠いている」と不満そうだった。

 改正公職選挙法が昨年6月に成立して以来、各党は若者に響く政策を打ち出そうと模索を続ける。自民党は昨年、各都道府県連の地方議員らを「学生部担当役員」に指名し、全国の大学や高校など計64カ所に派遣。党ホームページには18歳が主人公のマンガ冊子「国に届け」を掲載し、若者とのパイプ作りや発信に力を入れている。

 民進党は、所属議員と若手の女性モデルが話し合う「民進党ハイスクール」を開催。18日に出席した女性モデル5人がつぶやくツイッターのフォロワー数は約100万人。発信力で政策の浸透を狙う。

 公明党は1月から街頭やネット上で、1千万人以上の若者から意見を聞いた。要望が強かった非正規労働者の賃金アップや不妊治療の公費助成を公約に盛り込んだ。

 共産党は若者向けパンフレットを「学生の声を聞いてフリーペーパー風に作った」(党幹部)。「学費を10年で半額」「ブラック企業規制法制定」などの政策を書き、大学周辺の飲食店に70万部を置いた。

 今年の通常国会でも若い世代を意識した議論が目立った。大学生の負担となっている有利子奨学金では、民進や共産などが無償の給付型奨学金の導入を提案。安倍政権の1億総活躍プランにも給付型奨学金が盛り込まれた。最低賃金については、自民・公明が「1千円を目指す」、民進が「1千円以上」、共産は「1500円めざし今すぐ1千円」をそれぞれ公約で打ち出している。

 ただ、各党の主張や公約が選挙向けのアピールに終わらないか。討論会で質問した松井さんは「若者政策と少子高齢化対策はポイントかも。情報収集をして、自分が納得できる票を入れたい」と話す。