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 蓮實重彦さんとのインタビューの一問一答は以下の通り。

――三島賞の受賞会見には驚かされました。

 どうしてみなさん同じような質問しかしないのかと苛立(いらだ)ちました。

――ただ、ああいったお約束の質問が出ることはある程度予測されていたのではないでしょうか。

 最初の1、2問はそうかもしれないとは思っていましたが、これほど同じような質問ばかりになるとは思っていませんでした。

――しかし、あの会見があったことで、結果的にはこれまでの三島賞の何倍も世間の注目を集めることになりました。

 会見の前に、新潮社の方に聞いたんです。「この会見は本の売れ行きに関係するんですか」と。そうしたら「関係いたします!」とお答えになったので、「それではそのようにやりましょう」ということになりました。会見の後、その方に「お見事!」なんて言われちゃいましたけれど、これもどうなんでしょうかねえ。ちょっとやりすぎちゃったんじゃないかという気がします、新潮社のためにはね。

――こういう盛り上げ方があったのか、と、私などは感嘆いたしました。

 いや、実は家内がいま入院しておりましてね、ぎっくり腰のひどいもので、急に動けなくってしまって、救急車で病院に運ばれたんです。そこである程度治りまして、リハビリセンターに移ることになりました。三島賞選考会の翌日、午前9時までにセンターに入らなければならなかったのです。だからわたくしは前日、病院の近くのホテルに宿泊することにしました。転院の準備がありますので、三島賞のことなど完全に忘れてしまい、翌朝のことばかりを考えてチェックインして部屋に上がったところで、電話が鳴りまして「新潮社でございます」と。「(会見に)おいでになれますでしょうか」と聞かれましてね。わたくしは妻のことを第一に考えようと思っていましたから、自宅にいたら会見には行かないつもりでした。しかし、ホテルからだと会見場まで10分で行けちゃうんです。「じゃあまいります」と申し上げました。だから、心ここにあらずで行ったのは確かなんです。

――司会の方が最初に「ご心境は?」というお決まりの質問をされた時に「ご心境という言葉はわたくしの中には存在しておりません。ですからお答えしません」と話されましたね。

 ええ。「わたくしの辞書には」と言おうかと思ったのですが、やめました(笑)。

――冒頭のやりとりで会見の空気が決まったかと思います。これは司会者と打ち合わせされていたのですか。

 いいえ、全然違います。そもそもですね、わたくしの感じでは、いしいしんじさんが取ってくださればいいなと思っていました。まあ、2人くらいはわたくしを推すかもしれないけれど、3人はないだろうと確信していたんですね。そうしたら、最後に3票になっちゃったらしい。それがなければ静かに過ごせたわけですけれども。

――三島賞の候補作に決まった時…

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