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「母ちゃん、帰ってきたか?」

(認知症の父〈83歳〉が毎晩繰り返す言葉)

 寝たきりの母を介護していた父。父の母への介護はそれはそれは優しいもので、娘の私にはかなうものではありませんでした。

 その父が11年前、脳梗塞(こうそく)になりました。脳血管性の認知症、左半身まひ、嚥下(えんげ)障害で、現在は要介護5です。

 母が8年前に亡くなったとき、葬儀に出た父は「なんで死んだんや」と号泣していました。「お父さん、よくわかってはるね」と周りから言われました。

 でも、今でも夜になると「母ちゃん、帰ってきたか?」と私に聞くんです。「帰ってきてるよ」と言うと、母の姿はなくても父はすごく安心した表情になります。長年連れ添った夫婦ってすごいなって、娘の私は思います。

 暴言など大変なこともいっぱいありますが、父と楽しいことを探しながら、今を大切に過ごしていきたいです。

 お母さん、お父さんを見守っていてね!

◆兵庫県 杉原智子さん

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 朝日新聞文化くらし報道部「介護 あのとき、あの言葉」係

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