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 名古屋大卒のランナー、鈴木亜由子(24)は昨年夏、陸上の北京世界選手権女子5000メートルで9位に食い込んだ。指導する監督の高橋昌彦(51)は、トライアスロンの元日本代表という異色の経歴をもつ。女子長距離で日本のエースを張るのは、陸上界の「変わり種」コンビだ。

 3年前、鈴木が日本郵政グループへの入社を決めた時、かつての天才少女は輝きを失っていた。

 愛知県豊橋市の豊城中時代、2年生で全日本中学選手権の800メートル、1500メートルで2冠を達成。中学に陸上部はなく、バスケ部員として成し遂げた快挙だった。翌年、1500メートルを連覇。800メートルと3000メートルは中学歴代2位(当時)のタイムで走った。

 だが、県内有数の進学校、時習館高に進むと、陸上選手としての存在感は薄れていった。「勉強もスポーツも両方、頑張る。それが自分に合っている」と語る、何事にも頑張らずにはいられない努力家だ。高1と高2の冬に、右足の甲を疲労骨折した。腰の骨を移植する手術を受け、練習できない日々が続いた。「部屋の隅で小さくなって泣いていた」と振り返る。全国高校総体は3年の時に、3000メートルで8位になったのが最高だ。

 大学は名古屋大経済学部に進学した。集まっての練習は週3回だけ。日本選手権は4位が最高で世界選手権には出られず、800メートルと3000メートルは、中学時代の自分の記録を超えられなかった。

 卒業論文は「女性の社会進出と経済効果について」。就職セミナーに一般の学生と一緒に参加した。卒業後も競技を続けるか迷いがあった。「夢は五輪」と口にはしていたが、引退後のセカンドキャリアもしっかりと念頭に置いてはいた。天才少女は、陸上選手としては平凡になりつつあった。

 そんな時、声を掛けてきたのが、高橋だった。

 女子陸上部を創設する日本郵政…

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