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 7年前、金券ショップの店長だった大阪市の男性(当時34)が自殺した。労働基準監督署は労災と認めなかったが、国の労働保険審査会は一転して認定。店の定休日にも社長の出張に同行しており、1カ月以上にわたって休まず働いたと判断した。遺族は会社の労務管理のあり方を問い、損害賠償を求めて近く大阪地裁へ提訴する。

 働き過ぎを背景とした「心の病」の労災認定件数は増加傾向にある。厚生労働省の調査では、過労などが原因で心を病み、自殺を図った人の労災認定は2014年度に過去最多の99件に上った。14年には過労死等防止対策推進法が成立し、国の積極的な過労死対策が求められている。

 遺族代理人で過労死問題に詳しい立野嘉英(たちのよしひで)弁護士(大阪弁護士会)によると、国の労働保険審査会が労基署の判断を覆すのは極めて異例。「店長職にありながら店員はおらず、全ての業務を実質1人で担っていた。休みたくても休めない名ばかりの店長の労働実態を認めた意義は大きい」と話す。

 労働保険審査会の裁決書(1月27日付)によると、男性は06年入社。大阪市港区の金券ショップ店長として、金券や各種チケットの仕入れ、販売を担当した。08年ごろから店舗を1人で切り盛りするようになり、09年4月、店の中で首をつって亡くなった。

 遺族側は、1日12時間近く、週6日働いていた▽亡くなる約5カ月前からは会社の新規事業の立ち上げにもかかわり、休日をとれない約1カ月間の連続勤務があった――などと主張。定休日の日曜にもたびたび車を運転して兵庫・淡路島へ社長の出張に同行していたとした。自殺はこうした長時間労働に加え、社長からも厳しく売り上げの拡大を求められ、うつ病を患ったのが原因として12年に労災申請した。

 会社側は労基署の調査に対し、「長時間労働を強制したり、達成困難なノルマや新規事業の担当を命じたりした事実はない」と反論。男性に不正な経理があったと指摘し、淡路島への同行は「気晴らしになればと誘った。仕事はさせていない」と説明した。

 大阪西労基署は13年、「達成困難なノルマや新規事業の担当になったことは認められず、仕事目的の同行だったとする客観的事実もない」などとして労災でないと判断。不服申し立てを受けた大阪労働局の労災保険審査官も14年に追認したが、再審査を求められた国の審査会は男性が淡路島で仕事の打ち合わせに立ち会っていたことなどから、業務命令による同行と判断し、自殺と仕事の因果関係を認めた。

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