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 年金や医療など社会保険の負担は低所得の人ほど重い現状がありました。社会保障は集めた税や保険料で所得の偏りをただすはずなのに、この「再分配」が機能していないように映ります。どうなっているのでしょうか。

 6月中旬。雨のなか、埼玉県に住む元派遣社員の女性(42)は地元の市役所を訪れた。「保険料の減免措置をうけたいのですが……」。窓口で緊張気味に切り出した。

 海運会社に派遣されていたが、3月末で雇い止めにあった。国民年金は月約1万6千円の保険料がかかるし、前年の所得や家族の人数などで市町村ごとに決まる国民健康保険料(国保)は女性の場合1万7千円だ。失業中の身には、負担が重すぎる。窓口で年金、国保ともに保険料が減免できると知り、ようやくほっと一息ついた。

 30代半ばに体調を崩して正社員だったIT関連会社を辞め、派遣に。最長2年、短くて3カ月で仕事がなくなった。そのたびに厚生年金から国民年金へ、企業の健康保険から国保へと切り替えた。保険料は貯金を取り崩して納めてきた。失業期間が長くなり、年金だけ納付を免除してもらったこともある。次の派遣先が見つかると、数カ月分の給料の中から免除された期間の保険料をさかのぼって支払った。国保の減免を受けるのは、今回がはじめてだ。

 銀行の口座に残るのは数十万円。仕事が見つかっても、月の手取りは多くて20万円。食費や洋服代を切り詰める生活が続く。

 それでも、「社会保険を負担するのは国民の義務。生活はつらいけど、きちんと払って当然」と思う。

 40歳を過ぎると派遣の仕事は少なくなる。早く安定した職を見つけたい。日増しに焦りがつのる。正社員での採用をめざし、数万円かかる講習会やセミナーにも通ってきた。唯一の息抜きとして時々楽器を習っていた。そんな余裕はしばらくなさそうだ。

 国税庁の統計では、「ワーキングプア」とも言われる年収200万円以下の給与所得者は全体の2割超を占める。この人たちにも、年金や医療など社会保険の負担はのしかかる。育児と仕事を一手に担うひとり親世帯では、なおさらだ。

ひとり親世帯、年金の未納も

 関東に住む契約社員の30代女性は、長男(12)と長女(10)を育てるシングルマザー。8年前に離婚して働きづめの生活だった。電話営業したり、スーパーでレジ打ちしたり。「正社員にならないか」と持ちかけられても育児のため残業はできず、泣く泣く断った。

 いくつかの仕事を掛け持ちして…

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