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第8章:2

 2011年6月13日。

 徳島県小松島市在住の公務員青山翔一さん(39、仮名)は生まれて初めて裁判所に足を運んだ。

 集合時間は午前9時半。裁判員に選ばれた場合は16日までの4日間拘束されることになっていた。

 「どんな事件なのだろうか」。そんなことを考えながら、歩いて行った。

 自宅から徳島市内にある徳島地方裁判所まで、車で行くこともできたが、徒歩と電車を選んだ。服装もふだんは作業着だが、この日はワイシャツとズボンにした。

 「心配性なんで。どんな事件かわからないので、ヤクザとかに法廷の周りで見張られていて、所属がわかったり、車のナンバーを見られたりするのはいやだなって思った」

 自宅から30分ほどかけて午前9時15分ぐらいには徳島地裁に到着した。前を通りかかったことはあったが中に入るのは初めてだった。

 案内されたのは大会議室。自分の番号の「23番」の席についた。

 候補者は40人ぐらい来ていただろうか。周囲の人の服装が気になった。どんな格好をしてきているのか、見回した。企業のロゴ入りの服を着ている人が結構いた。「これから仕事なんで、(裁判には)出られません」という声も聞こえた。

 「こんなにたくさんいるなら、選ばれるわけがない」

 時間になり、事件について説明された紙が配られた。裁判の対象事件は、強制わいせつ致傷事件であることが記されており、被告の名前が書かれてあった。被害者は匿名だった。

 「ヤクザがらみじゃない」。ち…

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