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第8章:6

 「被告人を懲役9年に処する」

 2011年6月16日午後、強制わいせつ致傷など3件の罪が問われた事件で、裁判長が被告の男性(当時30)に判決を言い渡した。

 量刑は、検察側の求刑を1年上回った。徳島県内であった裁判員裁判としては、求刑より重い判決が出たのは初めてだった。

 被告は微動だにせず聞いていた。

 裁判長は判決理由で、被害者の精神的、肉体的苦痛の大きさに触れ、「強姦(ごうかん)被害にも匹敵する」と指摘。「犯行は極めて卑劣で悪質」とした。また、強盗強姦未遂罪などの罪で服役し、仮出所して約7カ月で今回起訴された犯行に及んだとして、「服役による被告の反省は不十分。更生までに相当長い期間が必要と判断した。求刑はやや軽い」と指摘した。

 裁判員を務めた小松島市在住の公務員、青山翔一さん(39、仮名)はこの日も午前9時半に裁判所に集合、判決文を確認した上で、午後3時半からの判決公判に臨んだ。

 ひと仕事終えた、という感慨に浸っていた。裁判員に選任されてからの4日間は事件のことが頭から離れなかった。判決の読み上げを聞きながら、被害者はいまはふつうに暮らせているのだろうか、などと考えた。

 傍聴席は警察関係者が多かったが、被告の弟とみられる男性も来ていた。4日間すべての法廷に通っていた。下を向いて、こちらも全く動かずに判決を聞いていた。「俺らが、この男性の兄ちゃんに判決を出したんだな……。兄弟だから心配しているんだろうな」。そんな思いもよぎった。

 判決後、みなで評議室に戻った…

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