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 米大統領選で共和党の候補者指名を確実にしている実業家トランプ氏(70)が28日、ペンシルベニア州で演説し、大統領に就いたら「米国を環太平洋経済連携協定(TPP)から離脱させる」と述べた。

 トランプ氏は、予備選を通じてTPP批判を繰り返してきたが、この日は「米国の製造業に致命的な打撃を与える」として離脱を明言。交渉には日本を含む12カ国が参加したが、今後の貿易交渉は多国間ではなく2カ国間で進め、「最もタフで賢い交渉担当者を任命する」と約束した。

 北米自由貿易協定(NAFTA)についても再交渉を求め、相手国が応じなければ「撤退の意思をちらつかせる」と宣言した。海外との貿易交渉で、民主党のクリントン氏との違いを強調する狙いがある。

 トランプ氏はさらに、中国との間の貿易赤字や雇用流出を批判し、中国を為替操作国に分類するよう、財務長官に指示することも約束した。

 この日の演題は「米国の経済的な独立宣言」で、プロンプターで原稿を読み上げた。会場は同州モネッセンの製鋼所跡地で、元鉄鋼労働者やその家族らも集まった。その前でトランプ氏は、グローバル化で米国の雇用と富がメキシコなど海外に流出した一方で、金融エリートは裕福になったとも指摘。「グローバル化の波で、米国のミドルクラスは破壊されたが、すぐに方向転換できる」と述べた。(モネッセン〈ペンシルベニア州〉=金成隆一)