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 厚生労働省の人口動態統計によると、ハチ(スズメバチやミツバチなど)に刺されて死亡したのは2014年が14人で、13年は24人、12年22人と例年20人前後に上っている。国内では、命を奪う危険な生物の一つとされる。

 死因となるのが、呼吸困難や意識障害などを伴う重いアレルギー症状「アナフィラキシーショック」だ。ハチに刺されると体内にハチ毒に対する抗体ができ、再び刺されると過剰なアレルギー反応が出る。血圧低下が起こり、数分後には意識を失い、30分以内に死に至ることがある。体内に抗体ができなければ、刺された部位の痛みやかゆみ、腫れですむ。

 独協医大の平田博国講師(呼吸器・アレルギー内科)によると、ハチに刺される人の半数近くは林業や建設業、ゴルフ場従業員、農業などに携わっている。だが、こうした人たちでも、ハチ毒アレルギーの怖さを理解している人は少ないという。

 平田さんは昨年12月~今年2月、栃木、群馬、埼玉3県の養蜂農家を対象に、ハチ毒アレルギーに関するアンケートと血液検査を実施した。参加した113人のうち、35人が刺された後にじんましんや呼吸困難などの全身症状を起こした経験があった。35人のうち31人が、血液検査でミツバチのハチ毒の抗体が「陽性」だった。次に刺されると、ショック症状で命を落とす危険がある。しかし、アレルギーの診断を受けている人はわずかで、応急措置で使う自己注射薬「エピペン」を持っているのは9人しかいなかった。

 「業界をあげて危険性を知らせてほしい」と平田さんは話す。

 連載で紹介した相模原市の山崎正志さん(69)が受ける免疫療法は、ハチ毒成分を徐々に注射し、体質を改善させて根治をめざす治療。ただ専門医が少なく、受けられる医療機関は限られている。

 また、この治療は欧米の多くの…

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