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 首都ダッカで1日に立てこもり事件が起きたバングラデシュではここ数年、イスラム過激派の活動が目に付くようになった。背景には、ハシナ首相率いるアワミ連盟と、ジア元首相が率いるバングラデシュ民族主義党(BNP)などの野党勢力との対立の深まりがあるとみられる。

 ハシナ首相とジア元首相は因縁の間柄だ。ハシナ首相は、1975年に軍部に暗殺されたムジブル・ラーマン初代大統領の娘。後に大統領になり、81年に暗殺された軍部出身のジアウル・ラーマン氏の妻がジア元首相だ。地元のジャーナリストは「ハシナ氏とジア氏は、互いに相手が自分の身内を殺したと信じている」とみる。

 ハシナ首相とジア元首相は、それぞれの党を率いて長く対立してきた。ジア元首相のBNPはイスラム政党の「イスラム協会」(JI)とも連携し、さらに対立は激しさを増している。

 ハシナ政権側は、JIの元党首に対し、パキスタンからの独立戦争(71年)に関する戦争犯罪特別法廷で死刑を言い渡し、今年5月に処刑した。好調な経済を背景に、野党側の抵抗を力で押し切ろうとしている。

 BNPは2014年の総選挙をボイコットした。インド防衛研究所のアナンド・クマール研究員は「混乱をつくり出し、国際社会に働きかけて選挙のやり直しをするようハシナ首相に圧力をかけさせようとしたが、うまくいかなかった」とみる。

 代わりに野党勢力は激しい反政府行動に出て、イスラム過激派がそれを利用しようとする構図ができつつあるようだ。実際、昨年9月にダッカでイタリア人援助機関員が殺害され、過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行声明を出すなど、イスラム過激派の犯行とみられる事件が増えている。

 だが、ハシナ政権は、これらの責任を野党勢力だけに転嫁しようとしてきた。地元記者の1人は「2大勢力が今のような争いを続ける限り、外部から過激派などが忍び寄る余地が広がってゆく」と懸念する。(ニューデリー=貫洞欣寛)

■イスラム主義者への抑圧に反発…

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