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(守口大根)

 長さ2メートル近くまで育つ大根がある。守口大根だ。地中海沿岸がルーツという大根は、世界に推定で千品種以上あるそうだが、その最長品種らしい。

 原産地の大阪府守口市で、守口大根を育てて、長さを競う大会が毎冬、開かれている。今年、団体の部で優勝したのは市内の特別養護老人ホーム梅香苑。記録は、私の背丈を超える176・2センチだった。

 長く育てるひけつはなんだろうか。それを探りに行った。

 梅香苑には約200平方メートルの畑があり、この季節は、トマトやキュウリ、トウモロコシなどが実っている。守口大根は9月に種をまき、1月に収穫するから、いまは季節外れだ。

 理事長の生駒英雄さん(69)によると、長く育てるための特別の施設があるという。

 写真を見せてもらうと、それは高さ約2メートルの電話ボックス状の木製プランターだった。これに砂と土を混ぜて入れる。土の塊があると大根が曲がるため、事前にふるいにかける。

 種まきもポイントだ。一つの穴に3粒まき、発芽状況で1本にまで間引く。日当たり、風通しのよい所を選ぶ点も重要だ。

 育てているのは生駒さんと職員。入所の高齢者も成長を楽しみにしている。今年は大会に出したものを牛すじとの煮物にして、昼食で振る舞った。

 大会の準優勝は守口市立三郷小学校。今年の大会に4連覇がかかったが、156・7センチにとどまった。児童の体験学習の一環で育てているが、地域住民でつくる「環境ボランティア」が加勢している。中谷俊夫校長は「次は2メートル超えで、優勝を奪還したい」と雪辱を誓っていた。

 守口市では16世紀には淀川沿岸の砂地で生産が始まり、漬物の守口漬の材料として利用されてきたという。だが、明治以降の淀川の改修工事に伴って姿を消していった。農家でつくる守口都市農業研究会(68人)が市の支援を受けて二つのうねで育てているだけだ。

 いまは、愛知県や岐阜県が産地として知られる。両県を流れる木曽川沿いには守口大根に適した砂地の畑があるためだ。

 豊臣秀吉が称賛し、命名したという守口漬だが、ご当地の守口市ではいまは百貨店の味だ。京阪百貨店守口店で売られていると聞き、取材帰りに買い求めた。名古屋の老舗の品で、「厳選された酒かすで足かけ3年漬け込んだ」とある。パリッとした歯ごたえだった。

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