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2013年11月27日、大阪本社版夕刊社会面

 大阪・中崎町の古書店「青空書房」(大阪市北区)が来年3月、67年の歴史に幕を閉じ、閉店する。店主自作の絵やメッセージを添えた「本日休業」のポスターが、道行く人たちの心を励まし、温めてきた。一度きりしかない人生、この店に逢(あ)えてしあわせでした――。

     ◇

 《永(なが)い間本当にありがとうございました 温かいお客様のおはげましと 古書への深い愛着が綴(つづ)った六十七年》

 定休日の11月10日。シャッターに貼られたいつもの休業を知らせるポスターの下に、閉店を告知する紙があった。

 店のブログに告知文の写真が載るとすぐ、店主・坂本健一さん(90)に、全国のファンからメッセージが送られて来た。

 「もういやだな、と思うとき、さかもとさんの言葉を見ながら、そうそう、と相槌(あいづち)を打って自分を励ましてきました」「いつまでも、その場所にあって欲しいお店でした。一度しか訪ねていないのに」

 10年前、脳梗塞(こうそく)で右目が見えなくなり、狭心症も患った。無休が週休1日になり、今は2日に増えた。妻・和美さんに3年前、80歳で先立たれたが、エアコンもトイレもない店に座り続けた。

 「人間って引き時があるな。90なんて長生きしてはよくないね。自分の意思で体がコントロールできない。初めて衰えを感じた」

 「ずっと貧乏と仲良くしてる」人生だった。

 1946年、大阪大空襲の焼け跡にできた闇市で、露店に岩波文庫100冊を並べた。夜学に通いながら、昼食を抜いて買いためた本だったが、食べるためには仕方がなかった。47年に北区天神橋5丁目に店を借り、やがて今の店に落ち着いた。

 売値は同業者がこっそり仕入れ…

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