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 ブラジル・リオデジャネイロ五輪の開幕まで1カ月となった5日、リオ市内で五輪に反対する集会が開かれた。ただ、参加したのは数十人ほどで、大規模な反対デモが起きた2014年のサッカーワールドカップ(W杯)ブラジル大会とは対照的な状況だ。

 リオ市の中心部に集まった参加者は「オリンピックは認めない」などと書かれたプラカードを掲げ、「聖火のトーチの火を消すぞ」とマイクで叫んだ。教員のガブリエル・シケイラさん(27)は「五輪のせいで多くの人が立ち退きを余儀なくされた」と訴えた。

 ただ、14年W杯の際には各地で大規模なデモが相次ぎ、一部が暴徒化したのに対し、「五輪反対」は大きな動きになっていない。

 一方、4日には警察官らが給料未払いに対する抗議デモをした。AFP通信によると、警察官と消防士の計100人以上が参加。同市の国際空港で「地獄へようこそ。給料が支払われていないので、リオに来る人は安全ではない」などと書いた横断幕を掲げた。

 リオ州は財政危機に陥っており、6月には「非常事態宣言」を出している。参加者は給料の遅配が数カ月続いていると訴え、早期の支払いを求めている。

 通常は州が治安を担当しているが、五輪期間中は全国から8万5千人の軍と警察が動員されて治安維持にあたる。リオ市のパエス市長は「五輪開催と州の危機は関係がない」と説明。モラエス法相は5日、「政府は治安確保の費用として29億レアル(約916億円)の支援を決めた。警察官への給料支払いなどに使われ、リオ市の治安は安定する。期間中は全く心配しなくていい」と、不安の沈静化に努めている。(リオデジャネイロ=柴田真宏