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 スウェーデンの高級車ブランド、ボルボ・カー日本法人は5日、小型ハッチバック「V40」を一部改良して発売した。フロントマスクを一新し、今年投入された大型SUV「XC90」と共通する新デザインのグリルや、T字形のLEDヘッドライトが目を引く。中間グレードの「T3 モメンタム」を試乗してみた。

 2013年に本国で発売された現行のV40は、小排気量化によるダウンサイジングや背の低いのびやかなデザインで、フォルクスワーゲン(VW)やBMWミニなどドイツ車勢の牙城(がじょう)だった小型車の「Cセグメント」市場で人気を博した。国内でも累計2万6974台を売る量販モデルとなっている。

 カジュアルなチェック柄のシート地の採用など内外装を改善したほか、衝突時にボンネットから車体の外側に展開する独自技術の「歩行者エアバッグ」を全車に標準装備するなど、安全性能の向上にも努めた。

 派生グレードとして、内外装をオフロード走行仕立てにした「クロスカントリー」、245馬力の高性能エンジンを積んだスポーティーな「T5 Rデザイン」も、これまで通り用意する。価格は消費税込みで339万~459万円。

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 ターボ付き1・5リッターのガソリン車であるT3はコストダウンも兼ねた6速ATだ。スムーズさはディーゼル車の8速ATに劣るもののトルクはたっぷりで、信号ダッシュでアクセルを踏み込むと加速感は十分。吸排気音や風切り音もほどよく抑えられ、ラジオの音声が鮮明に聞こえる。

 カタログ記載の車両重量は1480キロ。VWゴルフが1240キロ、マツダ・アクセラが1310キロ……と、同クラスの後発ライバルたちがダイエットにいそしむ中では重量級ぶりが目立つが、骨太なピラーを見るに付け、剛性や質感の向上のために重量物をあてがっていることに気づく。結果的に車体のバタつきが抑えられ、高級感につながっている印象だ。

 北欧神話の雷神が持つハンマーをモチーフにしたT字形のLEDヘッドライトや、バイキングの武器を思わせるヤリ型のエンブレムなど、アグレッシブな意匠がふんだんなのに、全体の雰囲気は上品な仕上がりだ。

 他メーカーも模倣したパネルが宙に浮かぶセンターコンソールや、淡い青や茶などの柔和な車体色など、北欧家具にも通じる優しいディテールが荒々しさを中和している。

 マツダやスバルなど国産勢が急速に質感を上げてきたコンパクト市場。それに負けない勢いを北欧ブランドに感じた。路上に増えすぎたドイツ車に飽きたオーナーにとって有力な選択肢になりそうだ。(北林慎也)

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