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 米連邦最高裁のルース・ギンズバーグ判事(83)が、大統領選で共和党の候補者指名を確実にしたドナルド・トランプ氏(70)への批判を繰り返し、話題となっている。最高裁判事は通常、政治的ととられる発言を避けるためだ。大統領選に関連した訴訟が起きた場合には審理から外れるべきだ、という意見も出ている。

 ギンズバーグ氏は7日にAP通信とのインタビューでトランプ氏が選挙で勝利した場合について「可能性を考えたくない」と発言し、翌日にはニューヨーク・タイムズに「トランプ氏が大統領になったら、国がどうなるのか想像がつかない」「ニュージーランドに引っ越す時になる」と語った。発言に注目が集まるなか、11日にはCNNのインタビューで「ペテン師」、「一貫性がなく、その瞬間に頭に入ったことを何でも言う」とさらにこき下ろした。

 ギンズバーグ氏は最高裁屈指のリベラル派で、批判の内容については驚きが少ない。しかし、連邦の下級裁判事は行動規範で「候補者を推薦したり、反対したりしない」と規定されており、最高裁判事も政治的中立を保つことが慣例だけに、発言の是非が問題となっている。

 最高裁を長年取材してきたCNNのジェフリー・トゥービン氏はコラムで、発言に実直さを感じるとしつつ、今年の大統領選が2000年のように最高裁で争われた場合は、ギンズバーグ氏が審理から外れざるを得ないと指摘。さらに、最高裁の政治性が高まる可能性が高いとして「裁判所として避けたい前例を作った」と述べている。トランプ氏は12日にニューヨーク・タイムズに「非常に不適切だ」と述べ、「早く裁判所から去って欲しい」とも語った。(ニューヨーク=中井大助