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 ギラン・バレー症候群は筋肉を動かす末梢(まっしょう)神経(運動神経)に障害が起きて手足などが動かなくなる病気だ。人口10万人当たり年間1人程度が発症すると推測される。千葉大医学部神経内科の桑原聡(くわばらさとし)教授(56)によると、細菌やウイルスに対してつくられた抗体が誤って神経を攻撃することで発症すると考えられる。神経と細菌などの一部の構造が似ているためとみられている。

 筋力の低下は両側の手足から始まることが多い。通常は1、2週間でピークを迎えるまで急速に進む。呼吸する筋肉に及ぶと人工呼吸器が必要になることもあり、肺炎など合併症で死に至ることもある。末梢神経は原則、時間の経過とともに再生するが、2割程度の人は歩行障害などが残る。しびれや痛みが出る場合もある。

 後遺症を残さないためにも早い治療が大切だ。連載で紹介した千葉県の美容師の女性(67)のように、抗体が神経を攻撃するのを抑える血液製剤「免疫グロブリン」を点滴する治療が主流だ。血液中の抗体を機器を使って取り除く「血漿(けっしょう)交換療法」もある。

 患者の約7割は発症する1、2週間前に、風邪を引いたり、下痢をしたりといった「先行感染」の症状がみられる。こうした症状が現れない人もいる。

 先行感染の原因として最も多いのが、食中毒を引き起こす細菌「カンピロバクター」だという。カンピロバクター食中毒にかかった1千人あたり1人程度が、ギラン・バレー症候群を発症する。桑原さんは「下痢や風邪などの症状の後、手足の筋力低下などに気づいたら神経内科を受診してほしい」と呼びかける。

 ギラン・バレー症候群は年齢に関係なく発症する。大森赤十字病院(東京都大田区)の中瀬浩文(なかせひろふみ)院長=神経内科=は「予防のためにも日頃からカンピロバクター食中毒を防ぐ注意点を守ることが大切」と話す。

 カンピロバクターの主な感染源…

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