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 フランス南部のリゾート地ニースで14日に花火の見物客へ大型トラックが突っ込んだテロ事件で、仏検察当局は15日の記者会見で、射殺された実行犯の運転手の男はチュニジア人でニース在住のモアメド・ラウエジュ・ブレル容疑者(31)と発表した。同容疑者と過激派テログループとの関係について「現段階では確認できていない」と述べ、捜査を続けるとした。

 また会見で死者は84人でうち未成年者が10人、負傷者は202人でうち52人が重体であることを明らかにした。

 発表などによると、同容疑者はニース市内に二つの住居があり、15日朝、捜査当局が家宅捜索し、元妻などから事情を聴いている。1年ほど前から宅配トラックの運転手として働いていたという。犯罪歴はあるものの、「情報機関には全く知られていなかった」として監視対象ではなかったとした。

 また犯行に使われた大型トラックは、数日前に現場近くでレンタルされた。約2キロ暴走した後、トラックは駆けつけた警察に止められ、銃撃戦となった。同容疑者は小型のピストルで応戦したが、射殺された。車内には免許証やキャッシュカード、ピストル、長い銃、手投げ弾などがあったが、捜査の結果、手投げ弾は起爆できない状態で、銃はモデルガンだったという。

 また、ロイター通信はチュニジア治安当局者の話として、同容疑者がチュニジアの故郷を最後に訪れたのは4年前と伝えている。

 ニース市は、現場となった地中海沿いの道路「プロムナード・デ・ザングレ」周辺に約3万人が集まっていたと発表した。14日のフランス革命記念日を祝って花火大会が開かれていた。

 AFP通信によると、死者のうち国籍が判明しているのは、ドイツ3人▽アメリカ2人▽スイス1人▽ロシア1人▽ウクライナ1人▽アルメニア1人▽チュニジア1人。また、現場から病院に運ばれたけが人には、子ども約50人が含まれているという。

 オランド大統領は15日午前、司法や国防などの関係閣僚を大統領府に集めて国防会議を開き、事件の解明やテロ対策について話し合った。バルス首相は会議後、16~18日を国民の服喪期間とすることに決めたことを記者団に話した。(パリ=高久潤、ニース=松尾一郎)