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 北海道浦河町杵臼(きねうす)の墓から研究目的で掘り出したアイヌ民族の遺骨12体について、北海道大学は15日、遺骨返還をめぐる訴訟の和解に基づいて遺族らに返還した。遺骨は同日、浦河町に運ばれ、アイヌ民族の伝統儀式で迎えられた。

 遺骨はこの日、北海道大の三上隆副学長から引き渡された。アイヌの人たちや支援者ら約50人が伝統儀式の「カムイノミ」(神々への祈り)で遺骨を迎え入れた。原告の小川隆吉さん(80)は「やっとふるさとに戻ってきてうれしい」と話した。遺骨は17日に元の墓地に再び埋葬される。

 北海道大の記録によると、12体は1930年代ごろに浦河町杵臼の共同墓地から掘り出された。遺族らが2012年、遺骨返還を求めて札幌地裁に提訴。今年3月、北海道大が返還することで和解が成立した。

 国の調査では、同様に掘り出されたアイヌ民族の遺骨は全国の12大学に1600体以上保管されている。政府は身元が特定された遺骨は子孫らに返還し、特定できない遺骨は北海道白老町に2020年までに建設予定のアイヌ文化振興拠点「民族共生象徴空間」に納める方針を示している。(長谷川潤、深沢博)