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 アップルは今秋の公開に向け、同社製品向けの新OS「iOS 10」「macOS Sierra」「watchOS 3」「tvOS 2」の開発を進めています。7月7日から同社は、iOS 10(画像1)とmacOS Sierra(画像2)の「パブリックベータ」の無償公開を始めました。あくまでも技術検証用ですのでまだ不具合と思える挙動も多く、読者のみなさんには、秋の正式公開までお待ちいただくことを強くおすすめします。が、今回はそれらの機能について、筆者が試した上での感想を、三つの視点からお伝えしようと思います。そこからは、アップルが「自社製品を連携させ、なにをやりたいのか」が見えてきます。

 なお、iOS 10およびmacOS Sierraのパブリックベータ版では、使用許諾上、無許可での画像公開は禁じられていますが、本原稿では、アップルから記事での公開を前提に、許可を得てスクリーンショットを公開しています。(ライター・西田宗千佳)

iPhoneを手に取っただけでスリープ解除

 まずはiOS 10から行きましょう。多くの人がスマートフォンを使っている現在、最も身近なOSはスマートフォンのOSになりました。ですから、多くの人がまず気にしているのは、iOSではないでしょうか。

 iOS 10を使い始めてまず感じるのは「iPhoneを使う時、アプリを開く頻度が減った」ということです。ロック画面をちらっと見て、それでiPhoneをしまう、という動作をすることが増えました。

 スマートフォンは、まずスリープを解除(要は画面を点〈つ〉ける動作)し、いわゆる「ロック画面」から、さらに「ホーム画面」に移動し、目的のアプリ、たとえばLINEやメール、SNSなどを開いて中身を見る、という使い方が基本です。普段、なにげなくやっていることですが、こうやって改めて書くと、なかなかにまどろっこしいものです。

 こうした複雑さを軽減するために、そもそもスマートフォンには「通知」という機能が用意されています(画像3)。電話やメッセージの着信を音や表示で知るために、誰もが日常的に使ってはいます。しかし、iPhoneの場合、ちょっと問題がありました。ここ数年の製品は指紋認証機能「Touch ID」を搭載していて、安全かつスムーズにホーム画面を開くことができたわけですが、通知が来たことを確認して指をTouch IDに置くと、一瞬でホーム画面に行ってしまい、通知の内容を確認することができなかったのです。特に最新のiPhone 6sシリーズはTouch IDの認識が素早く、ロック画面でなにかを確認するのが困難な状況でした。ロック画面には、通知だけでなく、音楽再生時のコントローラーや、「ウィジェット」と呼ばれる、天気や交通情報、ニュースなどを表示する機能もあります。が、同様に、これもTouch IDの優秀さの副作用として、かなり使いづらい印象でした。音楽の曲送りをしようとTouch IDを押して画面を点けた瞬間にホーム画面に行ってしまい、結局ミュージックアプリを開く……という経験は日常茶飯事です。iOSでは「通知は上からスワイプ」「設定変更や音楽の再生は下からスワイプ」という操作体系もあるのですが、ロック画面をタッチすることに比べると、どうしてもまどろっこしく感じます。

 これは、iPhoneとアンドロイドを比べた時、iPhoneの弱点とも言える点でした。アンドロイドでは、初期からロック画面でのウィジェットを強化していて、ホーム画面に移らなくても情報がチェックしやすいことが特徴でした。設定が若干複雑であること、ロック画面がごちゃごちゃしやすいことが欠点ですが、その辺はトレードオフとも言えます。

 前置きが長くなりましたが、こうした点がiOS 10から大きく改善されます。

 まず、iOS 10をiPhone 6sなどにインストールすると、「Rise to Wake」という機能が追加されます。日本語の場合「持ち上げるとスリープ解除」とされていますが、読んで字のごとく、iPhoneを持ち上げると、それだけでスリープが解除される仕組みです。

 実は、アンドロイドでは似た仕組みを取り入れた機種はすでにあり、ある意味アップルはそれに追随したことになりますが、それはまた別の話、としておきましょう。重要なのは、これで使い勝手がかなり良くなった、ということです。スリープ解除のきっかけになるのは、具体的には「手前に傾ける」動作。ですから、机などから持ち上げる時以外でも、手首を使ってiPhoneを持ち上げる動作をするだけで、スリープが解除される仕組みです。これはどうやら、iPhone 6s以降に搭載されているモーション活用プロセッサー「M9」を活用したものであるようです。

 アップルから詳しい情報は公開されていませんが、秋に正式版が公開された際にも、一部の新しいiPhoneでだけ使えるもの、という位置づけになるでしょう。結果、音楽プレーヤーの操作や通知のチェックの時、Touch IDを触る必要はなくなります。また仮に触ったとしても、触っただけでは認証にならず、気持ちだけ「押し込む」操作が必要になります(画像4)。自然な操作なのでワンクッション必要になった、という印象はなく、不便さはありません。

■アプリを開かず、ロック画面か…

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