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 東京電力福島第一原発の事故による風評被害で売り上げが減ったとして、栃木県北部のゴルフ場を経営する会社が、東電に約8640万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が20日、東京地裁であった。中吉徹郎裁判長は「事故後の半年間は風評被害があった」と認め、約1960万円の支払いを東電に命じた。

 判決によると、ゴルフ場は原発から約115キロの距離にあり、事故が起きた2011年3月の売り上げは前年同月の約38%まで落ち込み、以後も前年を下回った。

 訴訟で東電側は、「距離が遠く被曝(ひばく)の懸念はなかった」と主張したが、判決は「事故後は放射線量や被曝についての科学的知見が十分になく、相当数が健康被害を懸念してゴルフ場利用を控えた」と認定。風評被害が収束した11年8月末までは東電が賠償責任を負うと判断した。

 一方、売り上げが減少した理由には「東日本大震災による道路被害やレジャー自粛のムードの影響もあった」として、東電の責任範囲は月ごとの売り上げ減少分の30~50%とした。

 ゴルフ場側代理人の荒井清寿弁護士は「適正に風評被害を認めた画期的な判決だ」と話した。東電は「判決の内容を確認し、引き続き真摯(しんし)に対応して参ります」との談話を出した。