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 国の天然記念物で絶滅危惧種の海鳥カンムリウミスズメを人工的に作った巣で繁殖させることに初めて成功した、と日本野鳥の会が22日発表した。静岡県下田市の神子元(みこもと)島につくった人工巣で、ひなが巣立った跡を確認した。世界でも初めてのケースで「個体数増加が期待される」という。

 日本近海に生息する体長約22~26センチの海鳥で、主に無人島で繁殖する。宮崎県門川町の枇榔(びろう)島が世界最大の繁殖地として知られるが、環境悪化で減少し、推定個体数は5千から1万羽程度とされる。

 同会は神子元島で2010年から岩の隙間に似せた人工巣を設置。天敵のカラス対策で巣穴の入り口を狭めるなどし、今年5月にひなの声を確認。繁殖期の終わった6月、人工巣三つで卵5個の殻を見つけた。ひなは巣立ち後すぐ海に出るため、繁殖成功と判断した。今後、伊豆半島や伊豆諸島の周辺の島に人工巣を増やしていくという。(小堀龍之)