[PR]

 迫害を逃れて日本に来た難民申請者と富士山に登ろう――。難民を支援する学生団体が、そんな登山旅行を8月上旬に計画している。日々の衣食住にも困窮する彼らに「日本を知ってもらい、ささやかな幸せを届けたい」という。ネットで旅の資金を募っている。

 企画したのは、東京大院1年の渡部清花(さやか)さん(25)、東京都市大4年の細田侑(ゆう)さん(25)、創価大3年の中原咲希さん(20)が参加する「WELgee(ウェルジー)」。英語の「welcome(歓迎)」と「refugee(難民)」の造語だ。「難民の人も歓迎できる社会へ!」を掲げて活動している。

 きっかけは、渡部さんが講師役を務める難民らが対象の東京都内の日本語教室だった。「富士山がきれいに見えるよ」。渡部さんが故郷の静岡県富士市について話すと、生徒の男性は言った。「政府の弾圧の中でたまたま逃れたのが日本だった。でも東京しか知らない。日本のいろんなところをもっと見てみたい。富士山に行ってみたい」

 生徒の大半は母国での迫害などを逃れた難民申請者だった。反政府運動に関与したとして拘束されそうになったり、命を狙われたり。やっとたどり着いた日本では公園で野宿を重ね、何とか支援団体のアパートに入れても働くのは難しい。衣服や食料をもらうため支援団体に通い、将来に不安を抱えていた。

 法務省によると、日本で昨年、難民申請した外国人は7586人で、難民と認められた人は27人。申請から半年間は就労ができない。

 「夏休みに経験する非日常の幸せを、日本最高峰の富士登山で届けたい」。渡部さんら日本人の学生数人が8月6~8日、日本語教室に通う難民申請者を富士登山に連れ出すことにした。中東アフリカなど5カ国から来た20~30代の7人が参加する予定だ。

 課題は資金だ。バス代や食費、山小屋宿泊費や登山グッズのレンタルなどの総費用は計約30万円。来月6日まで、クラウドファンディング(https://moon-shot.org/projects/welgee_fujimountain別ウインドウで開きます)で、寄付を募っている。

 渡部さんは「日本にいる難民や難民申請者らが安心して生きられる環境づくりの第一歩にしたい」と話す。(伊東和貴)