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 国家ぐるみのドーピング隠しが発覚したロシアは条件付きながら、8月5日に開会式を迎えるリオデジャネイロ五輪に出場できることになった。各選手の出場の可否を決める各国際競技団体は判断を迫られている。国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は24日の記者会見で「事案の内容と時間的な問題があり、難しい決断だった。議論した結果であり、問題ない」と話すが、早くも賛否両論が巻き起こっている。

 バッハ会長によると、24日の理事会による決定は、1人が棄権したのを除くと全会一致だった。ロシア側は理事会で、反ドーピング体制を再構築する姿勢を示したほか、半年間はロシア国外の機関が検査を行い、3千件以上の検査でほとんどが陰性だったと報告。ロシアではこうした報告が功を奏したとしており、ロシアのムトコ・スポーツ相は「ロシアの選手の約8割はIOCの基準を満たすような国際的な検査を実施している」と、多くの選手を派遣できると期待する。

 国際テニス連盟は早くもロシアの8選手の出場を認める方針を発表した。2014年以降、8選手に対して計205回、血液や尿を採取してドーピング検査を実施。うち122回が抜き打ちだった。全選手ともIOCの定める基準を満たしているという。8選手が世界反ドーピング機関(WADA)の報告書が指摘するドーピング隠しの対象となった選手ではないかを確認した上で最終判断する。アーチェリーでも3選手の出場を認めた。当初から全面締め出しに消極的だった柔道、体操のうち、国際体操連盟は早急に参加資格を満たす選手をリストアップすると発表した。

 この問題の調査を進めてきたWADAはIOCの決断を尊重するとした一方、IOC副会長でもあるWADAのリーディー委員長は「IOCがWADAの(ロシア選手を出場停止にするという)勧告に留意しなかったことにがっかりしている」とコメント。カナダなどとともにロシア全選手のリオ五輪出場登録を拒否するよう呼びかけてきた米国の反ドーピング機関は「残念なことに、IOCは最も大切な局面で断固としたリーダーシップを発揮することを拒んだ」とIOCの対応を痛烈に批判した。(ロンドン=河野正樹、モスクワ=駒木明義

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