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 東京電力福島第一原発事故から5年、福島の「復興」が、被害の実態からかけ離れたところで進められていないか――。事故の後、福島県内外で被災者の声を聞いてきた大阪市立大学の除本理史教授は、そんな思いから、近著「公害から福島を考える 地域の再生をめざして」(岩波書店)で、水俣病など公害の教訓に学ぶべきだと訴えている。執筆の動機や再生に向けた課題を聞いた。

大阪市立大学・除本理史教授に聞く

 ――かねて、除本先生は水俣病など公害の被害調査や賠償問題に取り組んでいらっしゃいました。原発事故の後、すぐさま福島にもかかわらなければと考えたのですか。

 「日本で過去、あのような大きな原発事故はなかったので、賠償が大問題になるのは分かっていても、(参考となる)先行研究がありません。そこで大学院ゼミの先輩で原子力財政に詳しい大島堅一・立命館大学教授から、『公害研究をやってきた者が知見を生かさないといけない』と言われ、2011年7月から本格的な被災者に対する聞き取り調査に入りました。被害の実情を明らかにすることが賠償の出発点になるからです」

 「しかし、最初の頃は被災者の方々に怒られてばかりでした。私たちに何をしてくれるのですか、と。そして、どうして、こんな状況になっているのか、いつになったら戻れるのか、私たちこそ聞きたいんだと言われました。被災者自身、受けた被害をどう理解してよいのか分からなかったのです。それ以来、ずっと被災者の話を聞きつづけてきました。水俣病研究の第一人者だった医師の故・原田正純先生は『(水俣病を)見てしまった者の責任』をおっしゃられていましたが、私もそれと同じ気持ちです」

■「ふるさと喪失」…

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