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(28日、山口大会 高川学園8―2宇部鴻城)

 「打撃の方が好きなんです」と、高川学園のエース山野は笑った。八回1死一、二塁での打席。自分で決めると心に決めた。初球を捉え、勝ち越しの右翼線三塁打。大量リードを呼び込む一打になった。

 マウンドでは我慢の連続だった。2失点した四回以降、九回を除き得点圏に走者を背負った。だが、最速145キロと地力はある。八回2死一、三塁のピンチは速球で遊ゴロに取り、脱出。藤村監督は「八回をしのいだのが大きい。辛抱すれば、必ず好機がくる」。山野の決勝三塁打が飛び出したのは、その裏だった。

 藤村監督は今回のチームを最後に退任するという。「監督を甲子園に連れて行きたかった」と選手は口々にいった。監督にウィニングボールを渡した吉村は、肺炎で欠場した清水の代役。「レギュラーの清水を甲子園でプレーさせたい」と果敢な走塁で貢献した。誰かのために、という思いで戦うチームは強かった。(隈部康弘)