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 舛添要一前知事の辞職に伴う東京都知事選は31日、投票され、即日開票される。最終盤の29日、主要候補は都内各地を精力的にまわり、支持を訴えた。自らの支持層への浸透や他候補との差別化を意識し、主張や演説内容を変化させてアピールに努めている。

 「待機児童、待機高齢者、東京五輪・パラリンピック費用の情報隠し、原発の『四つのゼロ』を実現する」。鳥越俊太郎氏(76)はJR新橋駅前広場の演説で力を込めた。序盤戦では、住んでよし、働いてよし、環境によしの「三つのよし」を掲げた。しかし、選挙期間中の保育や介護現場の視察を生かし、スローガンもより具体性のあるものに進化させた。

 中盤戦からは、ほかの主要候補は訴えない脱原発も強調し、最近は「東京都から250キロ圏内の原発の廃炉を電力会社に申し入れる」と踏み込んでいる。

 当初は1日1回だった街頭演説も段階的に増やし、29日は4回こなした。陣営幹部は「最後は街で本人の熱い思いを直接聞いてもらい、支持を広げたい」。

 増田寛也氏(64)はこの日午後、東京スカイツリー(墨田区)の下で街頭演説。公約に掲げた「首都直下地震、子育て、高齢化」の対策を訴えた。

 序盤にはなかった小池百合子氏(64)を意識した発言も。「ある候補は(満員電車対策で)2階建てに切り替えます、と。民間の鉄道では知事が言ってもできない。耳当たりのいいことをふりまくのは無責任だ」

 フェイスブックなどでは「(都の)女性管理職15%→30%」「待機児童ゼロ」と具体的な数値目標を追加。知名度不足に苦しんだ陣営は、中盤から「ますます増田、広げて寛也」というキャッチフレーズや赤いハチマキで浸透をはかる。陣営担当者は「多くの場所をくまなく回って候補者を見てもらった。あと一歩だ」。

 29日、渋谷駅前には小池氏のイメージカラーである緑のタオルや帽子を身につけた支持者らが集まった。小池氏は「あと数日だが、東京を百合子グリーンで染めましょう。目指す所は東京都庁。皆さんの一票一票で押し上げて下さい」と声を張り上げた。

 立候補表明の後、都議会の「冒頭解散」を掲げて対決姿勢を鮮明にし、注目を集めた。ところが、24日のテレビ番組では「都議会との話し合いは当然、必要だ」と発言。街頭演説でも増田氏に出馬を依頼した区市町村長と連携する考えを示している。

 今週から街頭演説も1日10回以上に増やして追い込みをかけている。陣営担当者は「演説を聴きにくる人がどんどん増えており、熱気を感じる」と話す。(伊藤あずさ、小林恵士、八角健太)