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 過去最多の21人が立候補している知事選は、31日に投開票される。東京が抱える様々な課題について、各候補者は街頭などで政策を訴える。「18歳選挙権」で選挙や一票と真剣に向き合い始めた3人の高校3年生と一緒に、主な候補者の街頭演説を聴いた。

 29日昼、新橋駅前でサラリーマンらに訴えていた鳥越俊太郎氏。「四つのゼロをめざす」として、「原発ゼロ」「情報隠しゼロ」などを示した。「そうだ!」と聴衆から声が飛ぶ。都立高島高3年の豊島風音(かざね)さん(17)は「テレビの映像と全然違う」。候補者が何を強調しているか、聴衆がどこで共感しているかが、よくわかったという。

 この日、街頭演説を記者と一緒に聞いたのは、豊島さんと同高3年の染谷くるみさん(18)、慶応志木高3年の吉田匡佑(きょうすけ)さん(18)の3人。いずれも都内在住だ。授業で政治に関心を持ったり、一票を投じる先を真剣に考えたりしたいと、NPO法人アイカス(文京区)がこの夏実施している「高校生のための政治家体験」に応募した。

 染谷さんは、鳥越氏が老人ホームを回ったエピソードが記憶に残ったという。「現状を把握している。目線が私たちに近い」

 同日午後3時、墨田区の東京スカイツリー前。増田寛也氏は地元区長らの応援演説中、聴衆と記念写真を撮り続けた。「必死さが伝わる」と高校生の3人。増田氏が「リーダーシップとチームワーク」と強調すると、バレー部員だったという染谷さんがうなずいた。「知事が偉いから上に立つ、ではなく、みんなと一緒にやるという姿勢が共感できます」

 吉田さんは、増田氏の演説で防災対策の具体策が多いことを評価した。「具体策まで挙げてくれれば信頼できる。一票を入れた後に後悔したくない」。政策で投票先を決めたいという。

 午後5時、文京区のウインズ後楽園前で聞いたのは小池百合子氏の演説。高校生3人は、小池氏や応援弁士の盛り上げ方のうまさに驚いたという。「笑いがあり、候補者と聴衆の掛け合いもたくさんあった。『改革派の小池さんと、それ以外』など、二元論的な主張がわかりやすかった」と吉田さん。

 「都内の待機児童約8千人の裏には、それだけ働きたい母親がいるということだ」との小池氏の言葉に、豊島さんは「自分もいつか子どもを産むかもしれない。都政に女性目線が生かせる人だと思った」と話した。(別宮潤一)